多いときは最前列+2階バルコニーに増席するほどのご来場で、本当にありがとうございました。
今回も僕にとっては初めてご一緒する劇団でした。
それに、今までやったことない面を持つ役。
大人の男。自分の感情や利益よりも別のものを大切にする人物。
そんな男がいざというときどんな行動をするか、どんな表情をするか。
しかも、大正~戦前。
現代みたいに自分の思い通りに振る舞う自由なんてものもはるかになかった時代。
そんな時代、強く抑えててもかすかににじみ出てくる思い。
そこが面白いはず。
その役の全体像を想像したとき、僕は迷わずそんな側面にフォーカスしたいと思いました。

貴重な経験でしたが、できたことと、できなかったことがありました。
今回の青☆組は、独特の世界観を作る劇団でした。
昨秋のアマヤドリも、独特の方法論やカラーのある劇団でしたが、僕が出演した作品は劇団員は比較的少なかったので、そこまで劇団色は濃くなかったのかもしれません。
今回のカンパニーでは方法論をすり合わせる稽古にも時間をかけ、その色は強かったです。
丁寧に、作家の吉田小夏さんの独特の世界を作り上げていくことができたのではと思います。
お客様には、賛否両論さまざまなご感想をいただきました。
悔しい思いもしましたが、やはりお客様が観てくれてはじめて得られるもの、到達できるところがあると再確認しました。
今回は俳優陣も僕にとってははじめましてな方ばかりで、演技の質というか、演劇観みたいなものもそれぞれ違いました。
もちろん、その違いをある程度は稽古で共通認識として「こういう方向でいこう」とまとめてはいくのですが、それぞれの質が簡単に根っこから変わるわけでもないのも事実。
それぞれの役と俳優が魅力的に伝わっていたらいいなと思います。
特に、今回で残念ながら活動休止となった多根周作さんは、お客様に愛される、そういう技術を持ってる(単なるテクニックではなくて)すてきな俳優さんだと共演していて感じました。
スタッフの皆さん、青☆組の皆さん、共演者の皆さん、観に来てくださったお客様、また、応援したくださった皆様、ありがとうございました!
さて、早くも次の作品の稽古です。
三島由紀夫の近代能楽集『邯鄲』のリーディングです。
2011年にも僕は新国立劇場でやらせてもらいましたが、今回は三島由紀夫文学館による公演。山中湖に行ってきます。
前回とは違う役。今までやったことないタイプの役です。本当にありがたいチャンス。
山中湖村公民館というとこで上演するのですが、村のお婆ちゃんから全国各地の三島ファンまで、毎回様々な方が聴きに来るらしいです。
格調ある三島戯曲を、再び新国立劇場芸術監督の宮田慶子さんの演出で。
手強いです!
思いっきりやってきます!
詳細http://www.mishimayukio.jp/mishima_news.html

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